有栖川リドルのイギリス生活〜世界のどこにいても謎解きがしたい〜

謎解き部UK支部・有栖川リドルによる、脱出ゲーム・推理ゲームの活動記録。イギリス生活の日記・雑記。

ロンドンで「謎解き街歩きゲーム」に参加して、MI6エージェントになってみた | 007スペクター

ごきげんよう。謎解き部 UK支部の、有栖川リドルです。

みなさん、今日も謎を解いていますか?

2024年3月にロンドン市内で、Hidden City主催の「謎解き街歩きゲーム」に参加してきました。

テーマに合わせ、役になりきり謎解きをする、いわゆるイマーシブ・エクスペリエンス/イマーシブ・イベント(没入型体験/没入型イベント)のひとつ。

ロンドンの名所を巡りつつ、イギリスならではの謎を解けるのが魅力です。

大満足だったので、ネタバレなしの感想を書いていきます。

ゲーム概要

大前提として、ゲームの対応言語は英語です。総合的な英語スキル(R/W/L/S)が求められます。

しかもイギリス英語なので、スペル間違いには要注意ですし、単位もキロ・メートルじゃなくポンド・ヤード

出題される謎はすべて、イギリスの常識・教養をベースに作られていることを、忘れてはいけない。そういう世界です。

Welcome to London.

  • タイトル:007: Shadow Of Spectre
  • テーマジェームズ・ボンドvsスペクター
  • 設定:とある強敵に007が狙われてしまったようだ。プレイヤーはMI6のエージェントとなり、007の痕跡を辿り、秘密の任務を解き明かせ!
  • ジャンル:謎解き×街歩き×没入型
  • チーム編成:在英日本人4名で1チーム。他人や他チームと協力する必要なし。
  • クリア条件:スタート地点からゴール地点に辿り着き、指示に従うこと。時間制限なし。
  • クリア時間平均:3~4時間(公式サイトの記載より)。しかし、これはイギリス人の平均時間であることに注意。
  • クリア時間(チーム有栖川):5時間。英語ネイティブ&イギリスの常識がないとスラスラ解けない中、だいぶ健闘したのでは!?
  • 場所:ロンドン市内。スタート地点はナショナル・シアター付近のとある場所。
  • 運営会社: Hidden City
  • 公式サイト

www.inthehiddencity.com

ゲームの流れ

街歩きゲームなので、ゲームの進行(謎の出題・解答・指示など)はすべて、スマホのメッセージアプリ上で行われます。

ゲームを予約するときに、スマホの電話番号を登録。

予約した後、スタート地点の具体的な住所が送られてきます。

当日の指定時間になったら、プレイヤーはスタート地点に集合。

メッセージアプリで、指定された言葉を送信するとゲームスタートです。

プレイヤーに届くメッセージの内容は、指令だったり、謎かけだったり、とある選択肢だったり……。

それに特定の言葉を返信することで、次の展開に進んだり、ヒントをもらえたり、休憩タイムに入ったりできます。

ゴール地点がどこになるのか、全部の謎を解くまでわかりません。

謎かけになっているメッセージから道順を導き出して、いろいろな中継ポイントで指令をこなします。

MI6エージェントとしてロンドンを暗躍せよ!

今回のテーマは、なにせイギリスが誇る諜報員007。

チーム有栖川はMI6のエージェントとして、ロンドンの街を暗躍することになるのだ。

ゲームが始まると、MI6の"ある人物"からエージェント有栖川に連絡が入る。

現在エージェント有栖川が置かれている状況と、ミッションについてだ。

このイントロダクションが終わったら、いよいよミッションが本格的にスタート。

ゲームが進むにつれ、様々な人物からエージェント有栖川へ、メッセージが届くようになる。

彼らはもちろん、007でおなじみの、あの人やあの人たち。

時には謎めいた指令をくれたり、時には大事な決断を迫ったりする。

謎かけメッセージを解けば、進むべき道がわかる

現在地から次のポイントまでの道順は、謎かけメッセージを読み解くことでわかる。

謎が解けないと、どこに向かえばいいか全くわからず、詰む

時には視点を変えたり、潔くヒントをもらうことも大事である。

謎かけどおりに、街中の「目に見えるもの」を辿っていくと、いつの間にやら次の地点に辿り着ける。

「目に見えるもの」は、景色だったり、特徴的な建物だったり、建築の装飾だったり、オブジェだったり。

ロンドンには、こんなに面白い建物があることに気付かされ、ヨーロッパらしい美しい装飾に注目する機会となった。(建築好きにはたまらない!)

ロンドンの風景を余すところなく利用しているのと、ロンドンの歩きやすさを活かしているのが、とても良い。(青山・渋谷・原宿のように、違うエリアをサクサク歩いて移動できるロケーション)

出題される謎の巧みさ

出される謎かけが、すべて秀逸。そこが魅力のひとつなのは間違いない。

答えがわかるとき、ギミックに気づくとき、毎回「何これ!すごい!!」と感動してしまう。

謎かけメッセージの想像がつきにくいと思うので、有栖川が作った「それっぽい例」をご覧ください。

※実際のゲームには出てきません。ネタバレではないので、ご安心ください。

  1. 「ポーンとナイトが駆け回る荒野に目を向けたら」という謎かけ=「チェッカー柄の何かを見つけて、その方向を見ろ」という指示。近くを見回すと、ちゃんとそのような造形物が存在する仕組み。
  2. 「(チェスの)駒の中で夜に活動する者だけが」という謎かけ=同じ発音の言葉遊び。「knight」と「night」をかけていて、「騎士」を示している。
  3. 「冠を頂に抱いたジョージが持っているものは?」という謎かけ=近くに"The King George"という名前のパブがある。パブには絵のついた看板がある。絵を見ると、王様らしき人が剣を構えているので、答えは「剣」になる。
  4. 「トイレ(toilet)のような水っぽい道(watery road)をまっすぐ下り」という指示=「Waterloo Roadという通りを、道なりに進め。坂なので、下る方に進め」という意味。"water" +"loo"(イギリス英語でトイレのこと)の言葉遊び。

MI6エージェントになりきるギミック

謎を解き進めると、ところどころで追加の情報を入手するために、諜報員らしいある行動を取らなくてはいけない。

「スパイ映画で、こういうシーン見たことある!」というアレを、実際に経験できてしまうのだ。

ブツの受け取りの時にやるアレとか、Sherlockでジョンがマイクロフトから初めてコンタクトされた時みたいなアレとか。

それをロンドンの街中で実現できるのが、最高。

謎解きの片手間に、ロンドン観光できる

進む道のりは、ロンドン市内の観光地エリア。

だが、混雑している大通は避けたルートになっており、ストレスがない。

まだ見ぬ裏道ルートに胸をときめかせながら、冒険気分を味わえる。

訪れる場所も、ガイドブックには載らないけど、「イギリス」を味わえる絶妙なところを選んでいるのが良い。

参加してわかった注意点

  • 全編英語。
  • 時にはイギリスの常識がいる。(DeepL翻訳やGoogle検索を駆使して乗り切れた。ヒントはもちろん、最悪答えを教えてもらえる。「ゴールに辿り着くこと」が最優先)
  • ずっと屋外を歩くので、悪天候だと辛い。(事前に、無料で予約をリスケできるサービスあり)
  • 軽装かつ、歩きやすい靴にすべし。
  • 歩き疲れる。(休憩ポイントはちゃんと盛り込まれているので、ご飯食べたり、トイレ行ったりできる。休憩ポイントを有効活用しよう)

まとめ

Hidden Cityのゲームは全シリーズ参加してきたのですが、待望の新作がリリースされると発表があったときは、すごく嬉しかったです。

ジェームズ・ボンドがテーマということで、参加前から期待値が高く、当日になるのを首を長くして待っていました。

Vauxhallにある本物のMI6ビル(映画007スペクターの中で崩壊したビル)あたりも、ゲーム要素に盛り込んでくるかと思っていました。でも、その予想は外れ。(セキュリティー上の理由で、協賛許可が降りなさそう。)

今までのシリーズに劣らず、楽しいゲームでした。

ゲームのシステムは他シリーズと同じ。ただ、今回は「MI6エージェント仕様」にアレンジされていて、より没入感がありました。

有栖川を除き、同行者は3人ともHiddenCity初参加でしたが、「絶対また参加したい!」「ハマりそう」と嬉しい感想を聞くことができました。

有栖川は、日本の「街歩き系」謎解きゲームの経験がないのですが、同行者に『地下謎への招待状』経験のある人がいたので、違いを聞きました。

交通機関に乗る必要なく、歩き回れるスタイルなのが良い」「ロンドンはエリアごとの距離が近いから、簡単に徒歩で移動できて良い」とのことでした。

また新作が出る日を待ち続けます!ありがとう、HiddenCity!

クリアしたらもらえる007のピンバッヂ