みなさん、今日も謎を解いていますか?
2024年5月に、イギリス・ロンドンの常設施設で、『ハリー・ポッター』テーマの脱出ゲームに参加してきました。
主催側は決して『ハリー・ポッター』とは謳っておらず、あくまで「魔法学校」ということなのですが、入り口が「9と3/4番線」だし、バジリスク出てくるし、なんなら記念撮影のときにハリー・ポッターのローブ貸してくれる。
日本の脱出ゲームと同じシステム・謎解きなので、楽しくハリー・ポッ・・・魔法学校の世界を探検することができました。
ゲーム概要
常設ゲーム施設は、映画人を養成する学校の近くにありました。面白い街だった。
街散策をしたら、ギョウカイっぽいおしゃれな人たちがたくさんいたり、カフェの店員さんが俳優の卵だったりした。
- タイトル:魔法学校:蛇の牙(Wizarding school: Fang of the Serpent)
- テーマ:ハリー・ポッターとバジリスク
- 設定:
あなたは校長から、何十年もの間行方不明になっている貴重な品物を探すことになった。
捜索を進めると、あなたは城の中の誰も立ち入ったことのない場所にたどり着く。
使命を果たすためには、巨悪に立ち向かわなければならない。この部屋を守っているモンスターは、これまでに直面したことのないようなものだ。
杖を手に取り、呪文を思い出し、勇気を見つけよう!
- ジャンル:謎解き×脱出ゲーム×没入型
- チーム編成:有栖川+英語ネイティブで1チーム。他チームと協力する必要なし。
- クリア条件:制限時間内に部屋から脱出すること。
- 難易度:4/5
- 制限時間:60分。
- 場所:ロンドン市内・Islingtonイズリントン。
- 運営会社: Breakin' Escape Room London
- 公式サイト:https://breakinescaperooms.co.uk/
ゲームシステム
日本の脱出ゲームとイギリスの脱出ゲームのシステムについて比較してみます。
※ネタバレありです。
脱出ゲームの流れ
・日本とイギリスで流れは同じ。受付→荷物預ける→ゲームの説明→閉じ込めらる
・日本とイギリスの違い。貴重品の管理は自己責任
予約時間になったら受付をします。
荷物はロッカーに預けるのですが、ロッカーの鍵はスタッフ管理とのことで、貴重品は預けられない。(すんごく海外って感じ)
幸い、有栖川はショルダーバッグを持っていたので、チーム有栖川の貴重品をかき集めて、ゲーム中は肌身離さず持つことができました。
受付が終わったら、スタッフが該当の部屋まで連れて行ってくれて、ゲームシステムの説明を行います。
謎解きに関係ないものや、ヒントが欲しいときの説明など。
室内にタイマーはないので、残り時間を知りたい時はスタッフに聞く必要がありました。
ヒントや残り時間をスタッフに聞くときは、配られた通信機でコミュニケーションをとります。
そして今回は魔法がテーマなので、「自分自身の杖を選んでくれ」と言われました!!
杖の先はライトになっており、ボタン操作でルーモス(光を灯す)が使える。
呪文の出典元が完全にポッター。
ルーモスの他に、ブラックライトを灯すこともできます。
よーく使い分けてね、とのこと。
「室内の謎解きシステムは、完全にエレクトリック技術a.k.a魔法だから、こじ開けようとしないでね」と言われた。
CCTV(監視カメラ)による監視社会イギリス
・日本とイギリスの違い。CCTVで全ての行動を監視されている。
イギリス(特にロンドン)の街は、数メートルおきに監視カメラが設置されているのが当たり前です。
そして、脱出ゲーム自体にCCTVが設置されていると気づくことになる。
全ての部屋にCCTVがついているので、運営スタッフはリアルタイムで有栖川たちの様子を伺っています。
部屋が暗くてもクリアに人物の顔が特定できる高性能カメラ。
なので、スパイもの洋画あるあるが起きる。
「君たちの後ろにあるオブジェクトはもうチェックしたか?」
「アイテムは入手したか?」
「詰まっていないか?(ヒントが欲しいか?)」
スパイダーマンでネッド"椅子の男(PCの前で主人公をサポートする切れ者)”になりたいと言っていたアレ!
リモートでサポートしてくれる味方のムーブじゃん!
これが、邪魔にならないくらい良いタイミングで助言をくれるんですよ。
それは全てCCTVのおかげ。
ゲーム性として機能していますが、それはあくまで二次的なメリット。
当初の目的は防犯のはずです。(器物損壊、小物を盗む、酒を持ち込んで飲む?とか、日本人が思いつかないクレイジー行動をする人が、一定数存在する海外。)
これが日本との大きな違いだと感じます。
狭い秘密の通路
・ネタバレあり
・体が大きい人や足が痛い人は通れないのでは、というくらい狭い通路
脱出ゲームが始まる部屋は、わりと広い。
魔法薬学の授業の部屋をモチーフとしているようだ。
毒薬などが並んだ棚、大鍋と魔法書の置いてある机などが並ぶ。
天井はかなり高く、天井にも何かの記号が書かれていたり、各寮の旗がかかっていたり、クィディッチの歴代スコアが書かれていたり、鳥籠に入ったフクロウたちが有栖川を見下ろしている。
最初、部屋は真っ暗なので、杖でルーモスしながら散策する。
「ルーモス」と書かれたポイントがあるので、そこに杖をかざすと、部屋全体に灯りがつく。
この部屋で謎解きが進むと、隠し通路1が開かれる。
隠し通路1は屋根裏部屋へ続く階段になっていて、屋根裏部屋にはビーカーの論理クイズと、二人で協力して磁石をゴールまで運ぶパズルがある。
クリアすると隠し通路2が開かれる。
隠し通路2はハシゴがついており、下(最初の部屋と同じフロア)に降りる必要がある。
ハシゴを降りると、バジリスクの潜む広い地下道につながっています。
壁を巨大な蜘蛛が這っており、奥の方にバジリスクの石像(牙が一本ない)と「グリフィンドールの剣」が隠れている。
謎を解くと、剣を掴むことができ、バジリスクの石像に突き立てると、牙がもらえます。
隠し通路3の扉が開き、人の肩幅ギリギリな狭い通路につながります。
そこにトム・リドルの日記が隠されており、バジリスクの牙を突き立てると、最後の扉が開きます。
最初の部屋に戻ってきて、脱出成功〜!
スタッフがタイミングよく最初の部屋で待っていて、記念撮影の場所へ案内してくれます。(コスチュームの貸し出しあり)
記念撮影も、ポーズ指定してくれたり、連写してモーションを撮ってくれたり、すごく丁寧でした!
次の予約の時間が詰まっていないようで、日本より余裕があり対応が丁寧なことに驚きました。
『ハリー・ポッター』を知っていると楽しめる
謎解きの小ネタとして「賢者の石」と「秘密の部屋」を知っている人は、すぐピンとくる箇所がありました。
具体的にいうと、「賢者の石」の毒の入ったビンを当てる論理パズルや、「秘密の部屋」のバジリスク退治、トム・リドルの日記にトドメを刺す方法といった行動が求められる。
あと、呪文辞典を使ったパズルがあり、「あの呪文・呪いはこういう効能がある」とわかっていると、もっとスムーズかも。
チーム有栖川は、細かい呪文を忘れていて、呪文辞典を何度もめくった。
(トロールをノックアウトした呪文覚えていますか?落ちるオブジェクトを止める呪文を覚えていますか?)
料金について
日本とイギリスの価格帯の話をしてみよう。(ポンドを円に換算はしません)
今回は割引なしで「ひとり£46.5」でした。
ロンドンの謎解き街歩き「ひとり£25~£30」と比べると、お高めです。
日本の脱出ゲームは「ひとり¥1,000~¥3,000」くらいで、¥3,000のに当たると高いと思うことがありました。
魔法学校は、なんでこんなに高いんじゃ〜と予約時からざわついていましたが、経験した今思うのは、割と正当な価格だということ。
施設の土地代(ロンドン市内はどこでも高い)+謎解きシステム+CCTVの管理費代!!これだ!!!そりゃ高いわ!
まとめ
計算問題あったのだが!?(有栖川は計算が苦手)。
世界どこでも、脱出ゲームの謎には計算が含まれることがわかりました。
でも今回のは簡単な計算でよかった。法則を見つけて、その通りに穴埋めしていく感じ。
謎解きの質が高く、ゲーム性もレベルが高かったです。
本当に秘密の部屋を冒険しているような気分になれた。
同運営の、別のテーマもぜひチャレンジしてみようと思います!!
論理クイズが2種類出てきたので、楽しかった。一番お気に入りパートやもしれぬ。
でも、すべて英語のため理解するのに時間がかかったから、英語ネイティブがいなかったら詰んでいたかもしれない。
『ハリー・ポッターと賢者の石』小説に出てくる論理クイズはこちら。脱出ゲームでは、これのパロディのような問題が出てきました。
前には危険 後ろは安全
君が見つけさえすれば2つが君を救うだろう
7つのうちの1つだけ 君を前進させるだろう
別の1つで退却の道が開ける その人に2つの瓶はイラクサ酒
残る3つは殺人者 列にまぎれて隠れてる
長々居たくないならば どれかを選んでみるがいい
君が選ぶのに役に立つ 4つのヒントを差し上げようまず第1のヒントだが どんなにずるく隠れても
毒入り瓶のある場所は いつもイラクサ酒の左
第2のヒントは両端の 2つの瓶は種類が違う
君が前進したいなら 2つのどちらも友ではない第3のヒントは見たとおり 7つの瓶は大きさが違う
小人も巨人もどちらにも 死の毒薬は入ってない
第4のヒントは双子の薬 ちょっと見た目は違っても
左端から2番目と 右の端から2番目の 瓶の中身は同じ味『ハリー・ポッターと賢者の石』(著:J.K.ローリング / 訳:松岡祐子)より抜粋
この日、有栖川は脳の「他言語を操るパート」と「謎解きするパート」を酷使したことにより、夜は爆睡するのであった。