有栖川リドルのイギリス生活〜世界のどこにいても謎解きがしたい〜

謎解き部UK支部・有栖川リドルによる、脱出ゲーム・推理ゲームの活動記録。イギリス生活の日記・雑記。

『東京サイコデミック』をプレイして、憧れのCSI科学捜査官になった気分を味わう

ごきげんよう。謎解き部UK支部の、有栖川リドルです。

みなさん、今日も謎を解いていますか?

2024年5月30日に発売された『東京サイコデミック』をプレイしました。

まだ未クリアなのですが、これには理由があります。

それは「ストーリーが進行しない」という致命的バグ(?)のせい。

ストーリーや捜査・推理システムは素晴らしいので、ベタ褒めレビューを書きたかったのですが、あまりにも致命的欠陥が出てきてしまったので言及せざるを得ない・・・。ストーリーが面白いだけに、が っ か り。

※6月5日のアップデートで解消されたこと確認しました。

ゲーム概要

アニメ『PSYCHO-PASSサイコパス』っぽい。ドラマ『SPECスペック』っぽい。ドラマ『CSI:科学捜査班』っぽい。

これ系が好きな人にはたまらない、推理・捜査ゲームです。

各章ごとにOPとEDがあり、まるでアニメを1話ずつ見ているような演出となっています。

(欲を言えば、OP曲は凛として時雨が良かった)

  • タイトル:東京サイコデミック 〜公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿〜
  • 設定:コロナ禍を経験した日本をモチーフにした、パラレルワールドが舞台。未曾有のパンデミックが終息した日本で、超常的な事件が多発している。これは事故なのか?何者かの意志が介在するのか?・・・はたまた、人間は超常現象を起こせるのか?一つひとつの事件が、やがて大きな陰謀を解き明かす。
  • ジャンル:謎解き×アドベンチャー
  • クリア条件:わからない
  • ハードNintendo Switch
  • 運営会社:グラビティゲームアライズ
  • Nintendoサイト

store-jp.nintendo.com

ゲームシステム

海外ドラマ(警察モノ)みたいに、本格捜査ができるシステムになっている。

本格捜査とはすなわち、山積みの関連資料をひたすら紐解いていくこと。

有栖川は幼い頃、CSIになりたいと思っていたので夢が叶いました。

科学捜査と言っているが、指紋採取やルミノール反応を見るようなことはしない。

音声解析や監視カメラ映像を地道にチェックしたり、資料を読み解いていくのがメインの調査方法だ。

事件捜査資料のつくり込みが本気(マジ)

事件に関連する資料が容赦なく追加されていくのですが、内容のつくり込みがすごい。

どんなに一つずつ綿密に資料を作っても、そのほとんどが「捨て情報」になるわけです。

膨大な資料の中で、事件の真相につながる箇所は5%〜10%あればいい方。

リアルな捜査を少しでも疑似体験できるように、という制作者の強い想いが伝わります。

防犯カメラ映像(実写)

アニメ調の絵柄がベースになっているが、ときおり実写映像がインサートされる。

例えば、捜査の要になる防犯カメラ映像だ。

どうやってゲーム用のフェイク防犯カメラ映像を制作したのか、メイキングを知りたいくらい、つくり込みがすごい!

東京の人手が多い街中で、定点カメラを防犯カメラのような画角で設置し、一般人が映らないように通行規制した上で、まるで一般人かのように俳優たちを歩行させたってこと??

マスクをつけた人物は、事件に関係ない人物だとゲーム内で確定されているので、エキストラたちにはマスクをつけてもらって撮影したのかな。

定点カメラに気づいた一般(ぽい)人が、たまにカメラ目線になっているように見えて、面白かった。ドッキリでカメラに気づいちゃった人みたい。

図面資料

本物の資料を模してフェイク資料を作るのは大変だったろうな、と思います。

とある機材の、種類別の資料(モデル名、重量、搭載機能etc)だったり、事件現場の建物の図面(どの階になんの部屋があり、どんな電気系統が通っているか)だったり。

さらに、こんなニッチな資料をどうやって参考文献として見つけてきたんだろう?というものもありました。(一般に開示されていなさそうなもの)

劇中ニュースはツッコミどころあり

現実のニュース報道を模した映像が出てくるのですが、たまに「そんなに都合よく事件詳細は語らんやろ」という劇中ニュースが流れます。

スポーツ漫画のモブが「この技は!フェイクをかけた後に、スピンをかけてボールの軌道を変えた・・・だと!?」と丁寧に教えてくれますよね。

あの感じで、現実ニュースよりも事件詳細が盛り込まれています。

現実の報道では、事件現場のグロいものを映さないように規制すると思いますが、劇中ニュースでは規制が緩いようです。

超常現象vs科学捜査

「不可解な事件が起きる→科学捜査で真相を解明する」という流れを各章で繰り返していく。(ドラマ『CSI:科学捜査班』っぽい要素)

だがその前提として、このパラレル日本には超人的な力を持つ人間がいるとの噂がある。(ドラマ『SPECスペック』っぽい要素)

事件は、ある見方をすれば科学で解明でき、別の見方をすれば超常現象が関わっているかもしれない。

有栖川はCase3までしか進められていないので、まだ科学捜査としての事件解明しかできていないが、Case1の時点から「そんなに都合よく、この事件の要件が揃うだろうか?」と不審に思うことがある。

Case2以降、「過去の事件を見直す」ことができるようになるのだが、「視点を変えて再捜査してみたら、別の真相に辿り着くかもよ?」という啓示なのだろう。

このシステム&プロットも面白い!!

警察はスーパー探偵に頼るしかない

探偵モノあるあるですが、作中の警察は「なんでこんな簡単な推理(捜査?)もできないんだ」という無能さを露呈しています。

が、そんなツッコミは野暮ですよね。

普通の警察がお手上げだからこそ、右京さんやホームズやポアロやコナンくんに相談が舞い込み(あるいは巻き込まれ)、彼らの活躍があるから難事件が解決するんだもん。

例に漏れず、東京サイコデミックの・・・なんだっけ。

えーと、「公安調査庁特別事象科学情報分析室」も、独自に調査をしていくことになります。

開発元のグラビティゲームアライズとは

ゲーム購入をするにあたり、どんな会社か知らなかったので調べてみました。

だがしかし、代表ゲームタイトルを見ても全然わからなかった。

スポーツ系ゲーム界隈では有名なのでしょうか。

推理モノなんてずいぶん毛色の違うゲームに手を出したみたいだけど、大丈夫?と不安でした。

それでも買おうと思ったのは、ファミ通のレビューを見て面白そうだったから。

買ったら、致命的バグがあって先に進まないんですけどね。

www.famitsu.com

最初の事件からグロい描写あり

レーティングがD区分(17才以上対象)となっていますが、グロいのが苦手な人は不意打ちで現れる描写に注意が必要です。

Case1からショッキングな事件現場の写真を見ることになるのと、その写真を拡大してじっくり調べるという、なかなか攻めた捜査パートになっています。

イメージとしては、ドラマ『CSI:科学捜査班』でしょうか。

事件現場や被害者の様子をじっくりと映し出す描写が、よく似ていると思います。

あと全体的な雰囲気は、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』をもっと写実的にした感じ。

ストーリーが進行しないバグ(と思われる)

Case4の割と序盤の操作パート。

事件発生時の音声を分析する必要があるのですが、正しい調査をしてもストーリーが進行しない。

セーブデータをロードして、Case4を頭からやり直しても同じところでスタックするので完全に詰み

Case4がどんな事件なのか、Case5以降はどうなるのか、未知の世界です

※6月3日時点で、公式から本バグに関するアナウンスなし。

キャラクターの腕が消失するバグなんて、ストーリーに影響はないのだから、まだ可愛いもんです・・・。

 

開発チームがひっ迫していたせいで、ストーリー影響のあるバグがスルーされてしまったのでは?と不安になるインタビュー記事見つけてしまった。

(『神箱』は)要素が多いですし、『東京サイコデミック』と同時開発だったので、開発チームは苦労が多かったと思いますが

引用元:

『東京サイコデミック』『神箱』グラビティゲームアライズが完全新規作品を続々と展開。その狙いをキーマンに直撃 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

 

でも、捜査ゲームとしては本当に面白いんですよ、ということでゲームシステム紹介ムービーも載せておく。

youtu.be

操作性で引っかかった部分

・オートセーブなし、ゲーム序盤からある程度ストーリーが進むまでセーブができない。

・ノベルゲームで通常デフォルトの操作、機能が搭載されていない。

など。すでに改善要望が多数届いていたみたい。

公式の今後の改修・改善予定について、どの項目も「それそれ!」とうなずいてしまった。

今後の改修・改善につきまして - 東京サイコデミック

ゲーム内キャラのMVPは、間違いなく栢原隆一(ハッカー

主人公たちには、捜査を秘密裏に手助けしてくれる仲間たちがいる。

医者、ハッカー、オカルト系とジャンルは富んでおり、調べたい事柄によって、各専門家に協力してもらうのだ。

専門が分かれているとはいえ、ジャンルに偏りがある。ものすごく。

栢原隆一(CV森田成一)さんが作中のMVPです!おめでとうございます!

と労ってあげたいくらい、ハッカーの稼働負担が大きい

オカルト系専門家が「わからない」と言っている内容を、ネットの海から拾ってくるし、防犯カメラの映像をハッキングして取り寄せてくれたり、事件と同時期に起こった事象をまとめてくれたり、優秀な秘書か?

主人公たちはたぶん、栢原をAIか何かだと思っている。

「この時間帯に、同地域で起こった事件を知りたい」と話しかけると、数秒で必要な資料が集まってくるのだ。

まとめ

バグを早く!!修正してください!!

果たして、Case1からやり直せば解消するバグなのか不明。

強気な価格設定なんだから、ストーリー進行は止めないで欲しかった。

一つの事件について、見方を変えれば違う真相が見えてくる、というテーマが良い。

捜査パートが本物っぽい。膨大な捜査資料(図面、調書、写真、音声ファイル、監視カメラ映像etc)が、本格的な内容で良い。